第一種電気工事士 過去問
令和8年度(2026年) 上期
問32 (電気工事の施工方法 問6)

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問題

第一種電気工事士試験 令和8年度(2026年) 上期 問32(電気工事の施工方法 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

図は、自家用電気工作物構内の高圧受電設備及び低圧動力設備を表した図である。
この図に関する問いに対して、答えを1つ選びなさい。
〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。

③に示す避雷器の施設に関する記述として、不適切なものは。
問題文の画像
  • 受電電力の容量が500kW未満であっても、雷害の多い地区で架空電線路に接続されている高圧受電設備には、避雷器を施設すべきである。
  • 高圧受電設備の高圧架空引込ケーブルが長い場合、避雷器は引込口のほか、受電設備内の主遮断装置に近接する箇所にも施設することが望ましい。
  • 避雷器には、保安上電路から切り離せるように、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を施設した。
  • 受電電力の容量が500kW以上の需要場所の引込口には、避雷器を施設する必要がある。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「避雷器には、保安上電路から切り離せるように、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を施設した。」です。

 

避雷器は、雷などによって発生する異常に高い電圧から、変圧器などの電気機器を保護する装置です。

異常な電圧が加わると、その電圧に伴う電流を大地へ逃がし、電気機器の損傷を防ぎます。

しかし、避雷器と電路の間に限流ヒューズを取り付けると、雷による大きな電流でヒューズが溶断し、避雷器が電路から切り離されて保護できなくなるおそれがあります。

そのため、避雷器を保守点検のために切り離せるようにする場合でも、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を使用することは適切ではありません。

選択肢1. 受電電力の容量が500kW未満であっても、雷害の多い地区で架空電線路に接続されている高圧受電設備には、避雷器を施設すべきである。

この選択肢は適切です。

避雷器は、雷による異常な高電圧が電気設備に入り込んだときに、変圧器などの機器を保護するための装置です。

高圧架空電線路から電気を受ける設備では、雷による被害が発生するおそれがあります。

特に雷が多い地域では、受電電力が500kW未満の設備であっても、雷による事故を防ぐために避雷器を設置することが望まれます。

避雷器の設置は、法令で義務付けられる場合だけでなく、雷による被害を防ぐためにも重要です。

選択肢2. 高圧受電設備の高圧架空引込ケーブルが長い場合、避雷器は引込口のほか、受電設備内の主遮断装置に近接する箇所にも施設することが望ましい。

この選択肢は適切です。

高圧架空引込ケーブルは、架空電線路から建物の受電設備まで電気を引き込むためのケーブルです。

このケーブルが長い場合、雷による異常な電圧がケーブルを通って受電設備の内部まで伝わることがあります。

また、電圧の波がケーブルの途中や端で反射することで、受電設備内の電圧が高くなる場合もあります。

そのため、引込口だけでなく、主遮断装置の近くにも避雷器を設置することで、電気機器をより効果的に保護できます。

高圧架空引込ケーブルが長い場合は、引込口と主遮断装置の近くの両方に避雷器を設置することが望ましいとされています。

選択肢3. 避雷器には、保安上電路から切り離せるように、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を施設した。

この選択肢は不適切です。

避雷器は、雷による異常な高電圧が発生したときに、電流を大地へ逃がして電気機器を保護する装置です。

一方、限流ヒューズは、短絡などによって大きな電流が流れたときに、内部の金属部分が溶けて電流を遮断する装置です。

避雷器と電路の間に限流ヒューズを設けると、雷による大きな電流でヒューズが溶断し、避雷器が電路から切り離されるおそれがあります。

その状態では、再び雷による異常な電圧が発生しても、避雷器は電気機器を保護できません。

避雷器を保守点検のために電路から切り離す場合は、適切な断路器などを使用します。

したがって、避雷器の保守用として限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を使用することは適切ではありません。

選択肢4. 受電電力の容量が500kW以上の需要場所の引込口には、避雷器を施設する必要がある。

この選択肢は適切です。

「電気設備の技術基準の解釈」第37条では、高圧架空電線路から電気の供給を受ける、受電電力500kW以上の需要場所の引込口には、原則として避雷器を設置することが定められています。

需要場所とは、工場やビルなど、電気を使用する施設や敷地のことです。

受電電力が大きい施設では、雷によって電気設備が故障すると、大きな停電事故につながる可能性があります。

そのため、高圧架空電線路から電気を受ける500kW以上の需要場所では、引込口に避雷器を設置することが原則です。

ただし、引込口に直接接続する電線が短い場合など、一定の条件では設置を省略できる例外があります。

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02

 避雷器に関する出題です。

 避雷器は落雷からの影響(雷撃)から電気設備を保護する為の機器であり、原理としては通常は絶縁体として振る舞い、雷撃による異常電圧に対して意図的な絶縁破壊を起こす事で、雷のエネルギーを大地に逃がして設備を保護します。

 避雷器に関しては電気設備の技術基準の解釈第37条に規定がありますので、条文と照らし合わせながら各選択肢の解説をしていきます。

選択肢1. 受電電力の容量が500kW未満であっても、雷害の多い地区で架空電線路に接続されている高圧受電設備には、避雷器を施設すべきである。

 第37条1の三に、500kW以上の需要家の引込口には避雷器を施設する事が定められています。ただし、500kW未満だからといって規定に反するわけではありません。題意として、文章中に雷害の多い地区とあり、施工性や費用を勘案した回答にはならない為、記述として適切ですので、回答としては誤りとなります。

 なお、一般に電力会社の契約は500kWを境目に別の契約が締結されますので、避雷器の設置義務がぶれるケースはあまり考えなくても大丈夫です。

 

(電気設備の技術基準の解釈より引用)

第37条 高圧及び特別高圧の電路中、次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を設置すること。

(中略)

三 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kW以上の需要家の引込口

選択肢2. 高圧受電設備の高圧架空引込ケーブルが長い場合、避雷器は引込口のほか、受電設備内の主遮断装置に近接する箇所にも施設することが望ましい。

 高圧架空引込ケーブルが長い場合、受電設備内の主遮断装置に近接する箇所にも施設する事が望ましくあります。望ましい、とあるため法規定はありませんが、ケーブルが長い場合、ケーブル内で雷サージが増幅する為、他の機器に過電圧がかからないよう、複数の施設が推奨されます。

 記述として適切ですので、回答としては誤りとなります。

選択肢3. 避雷器には、保安上電路から切り離せるように、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を施設した。

 避雷器は冒頭の通り、意図的な絶縁破壊を起こす事で雷のエネルギーを大地に逃がして、設備を保護します。

 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を設置すると、雷撃に対してヒューズが溶断してしまい、避雷器の機能が発揮できなくなるおそれが生じます。

 そのため記述として不適切であり、回答としては正答となります。

選択肢4. 受電電力の容量が500kW以上の需要場所の引込口には、避雷器を施設する必要がある。

 受電電力500kW以上の場合、避雷器を施設する義務が第37条に規定されています。当然記述として正しく、回答としては誤りとなります。

 

(電気設備の技術基準の解釈より引用)

第37条 高圧及び特別高圧の電路中、次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を設置すること。

(中略)

三 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kW以上の需要家の引込口

まとめ

 本問で触れられていませんが、避雷器に関してはA種接地工事が必要となります。(第37条3)

 避雷器は受電電力500kW以上で設置義務が生じる為、実務でも扱う機会は比較的多くなり、出題される機会も多くなる一方、基本的な機能や法規定はそれほど覚える事が多くはない為、習熟しておくと良いでしょう。

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