第一種電気工事士 過去問
令和8年度(2026年) 上期
問31 (電気工事の施工方法 問5)

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問題

第一種電気工事士試験 令和8年度(2026年) 上期 問31(電気工事の施工方法 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

図は、自家用電気工作物構内の高圧受電設備及び低圧動力設備を表した図である。
この図に関する問いに対して、答えを1つ選びなさい。
〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。

②に示す高圧架空引込ケーブルの施工に関する記述として、不適切なものは。
問題文の画像
  • ちょう架用線は、風圧などを考慮した合成荷重に耐えるように引張強さに対する安全率を2.5以上として施工した。
  • 高圧ケーブルをハンガーにより、ちょう架用線に0.5mの間隔で支持する方法とした。
  • ちょう架用線に使用する金属体には、D種接地工事を施した。
  • 高圧ケーブルの高さを地表上3mとした。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「高圧ケーブルの高さを地表上3mとした。」です。

選択肢1. ちょう架用線は、風圧などを考慮した合成荷重に耐えるように引張強さに対する安全率を2.5以上として施工した。

この選択肢は適切です。

ちょう架用線は、高圧ケーブルを空中で支えるために使用する丈夫な金属線です。

架空ケーブルには、自身の重さだけでなく、強風による力なども加わります。

そのため、ちょう架用線は、これらの力を受けても簡単に切れない強さが必要です。

「安全率」とは、実際に加わる力に対して、どの程度の余裕を持たせているかを示す数値です。

ちょう架用線の種類によって基準は異なりますが、安全率を2.5以上として施工することは、必要な強度を確保する方法として認められています。

選択肢2. 高圧ケーブルをハンガーにより、ちょう架用線に0.5mの間隔で支持する方法とした。

この選択肢は適切です。

高圧架空ケーブルは、ちょう架用線にハンガーと呼ばれる金具を取り付けて支えることができます。

ハンガーは、ケーブルの重さをちょう架用線に分散させ、ケーブルが大きく垂れ下がらないようにするための金具です。

「電気設備の技術基準の解釈」第67条では、高圧ケーブルをハンガーで支持する場合、ハンガーの間隔は50cm以下と定められています。

0.5mは50cmなので、基準を満たしています。

選択肢3. ちょう架用線に使用する金属体には、D種接地工事を施した。

この選択肢は適切です。

接地工事とは、金属部分を大地につなぎ、漏電などによる感電の危険を減らすための工事です。

ちょう架用線は、高圧ケーブルを支える金属線であるため、ケーブルの絶縁が悪くなった場合などに、危険な電圧が加わるおそれがあります。

そこで、ちょう架用線などの金属部分に接地工事を行い、安全性を高めます。

「電気設備の技術基準の解釈」第67条では、ちょう架用線及びケーブルの被覆に使用する金属体には、D種接地工事を施すことが定められています。

選択肢4. 高圧ケーブルの高さを地表上3mとした。

この選択肢は不適切です。

高圧架空引込ケーブルは、人や車などが接触しないように、地上から十分な高さに設置する必要があります。

「電気設備の技術基準の解釈」第68条では、高圧架空電線の高さは、施設する場所に応じて定められています。

例えば、一般的な高圧架空電線は原則として地表上5m以上の高さが必要であり、道路を横断する場合などは、さらに高い位置に設置する必要があります。

一方、交通に支障を及ぼすおそれが少ない場合など、一定の条件を満たす場所では、3.5m以上まで高さを緩和できる場合があります。

しかし、地表上3mでは、緩和された場合の3.5mという基準も満たしていません。

そのため、高圧ケーブルの高さを地表上3mとする施工方法は認められません。

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02

 高圧架空引込ケーブルに関する出題です。

 架空線は日本国内でメジャーな配線方式であり、需要家側も引込に架空線を採用しているケースは多くあります。

 電気設備の技術基準の解釈では、主に第67条(低高圧架空電線路の架空ケーブルによる施設)、第68条(低高圧架空電線の高さ)に内容が記載されておりますので、該当部分を引用しつつ各選択肢の解説をしていきます。

選択肢1. ちょう架用線は、風圧などを考慮した合成荷重に耐えるように引張強さに対する安全率を2.5以上として施工した。

 第67条の五に、ちょう架用線(電線の自重を支える為の太い金属線)の荷重に対する安全率が明記されています。ちょう架用線はケーブル自体の重さを支える事はもちろん、風圧や被氷荷重なども耐えなければならず、また簡単に取替できない(予備線の無い引込線の場合、取替は全停電を要します)都合から、十年単位の劣化に耐えうる必要があり、施工時点での荷重に耐えられればOKではなく、経年により引張り強さが落ちてもケーブルを支え続けなければなりません。

 安全率とはこのような、経年に対して性能が落ちたとしても機能を落とさない為の「余裕」であり、ちょう架用線だけでなく、おおよそ整備を要するあらゆる事柄で用いられます。(例えば水道管は管路抵抗や経年を想定し、相場として1.1の安全率が定められます。)

 ちょう架用線の安全率は、材質に関係なく2.5以上であれば規定を満たしますので、施工として適切です。よって、回答としては誤りとなります。

 

(電気設備の技術基準の解釈より引用)

第67条 五 高圧架空電線のちょう架用線は、次に規定する荷重が加わる場合における引張り強さに対する安全率が、67-1表に規定する値以上となるような弛度により施設すること。

ちょう架用線の種類安全率
硬銅線又は耐熱銅合金線2.2
その他2.5

表は横にスクロールできます

選択肢2. 高圧ケーブルをハンガーにより、ちょう架用線に0.5mの間隔で支持する方法とした。

 第67条の二に、ちょう架用線にハンガーを取り付ける場合の間隔が規定されています。ハンガーはダクト工事等における支持点と同じようなもので、その為間隔が開けばケーブル等の自重を支えきれなくなるおそれがあります。

 規定では50cm、つまり0.5m以下の間隔である事が定められていますので、施工として正しく、回答としては誤りとなります。

 

(電気設備の技術基準の解釈より引用)

第67条の二 高圧架空電線を前号イの方法(注釈:ハンガーにより支持する事)により施設する場合は、ハンガーの間隔は50cm以下であること。

選択肢3. ちょう架用線に使用する金属体には、D種接地工事を施した。

 第67条の四に接地工事に対する規定が定められており、ちょう架用線とケーブル被膜に使用する金属体にはD種接地工事が必要である事が明記されています。例外として、低圧架空電線路であれば、ちょう架用線に絶縁電線又はこれと同等以上の絶縁効力のあるものを使用すればD種接地工事が省略できるとあります。

 本問に関しては高圧架空電線路の設問ですので、例外規定は適用されず、D種接地工事は必須となります。よって施工として適切であり、回答としては誤りとなります。

 

(電気設備の技術基準の解釈より引用)

第67条の四 ちょう架用線及びケーブルの被膜に使用する金属体には、D種接地工事を施す事。(後略)

選択肢4. 高圧ケーブルの高さを地表上3mとした。

 ケーブルの高さの規定は、電位設備の技術基準の解釈第68条にあります。具体的な高さは条件によって細かく分かれますが、原則として5m、道路を横断する場合に6m、低圧架空電線路のみ例外として4mが認められる場合がある、4m未満の場合は実質的に4m未満ではない(横断歩道橋の路面上の高さが基準)、の4点を覚えておきましょう。

 地表上3mはもちろん規定を満たしませんので不適切であり、回答としては正答となります。

まとめ

 冒頭の通り、架空電線は日本国内でメジャーな施工方法であり、法規定を把握しておく事は重要となります。第67条、第68条は要点が少ない条文ですので、試験で頻出されがちな条文について覚えておきましょう。

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