第一種電気工事士 過去問
令和8年度(2026年) 上期
問10 (電気応用 問1)
問題文
かご形誘導電動機のインバータによる速度制御に関する記述として、正しいものは。
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問題
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第一種電気工事士試験 令和8年度(2026年) 上期 問10(電気応用 問1) (訂正依頼・報告はこちら)
かご形誘導電動機のインバータによる速度制御に関する記述として、正しいものは。
- 電動機の入力の周波数を変えることによって速度を制御する。
- 電動機の入力の周波数を変えずに電圧を変えることによって速度を制御する。
- 電動機の滑りを変えることによって速度を制御する。
- 電動機の極数を切り換えることによって速度を制御する。
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この過去問の解説 (2件)
01
正しい選択肢は「電動機の入力の周波数を変えることによって速度を制御する。」です。
かご形誘導電動機の回転速度は、電源の周波数によって大きく変わります。
インバータは、電動機に加える交流の周波数を変える装置です。
そのため、周波数を高くすると回転速度が上がり、周波数を低くすると回転速度が下がります。
正しい記述です。
誘導電動機の回転磁界の速度は、電源の周波数と極数によって決まります。
インバータでは、電動機に加える交流の周波数を変えることで、回転磁界の速度を変えます。
その結果、電動機の回転速度を広い範囲で調整できます。
誤りです。
電圧を変えると、主に電動機のトルクなどに影響します。
インバータによる基本的な速度制御では、電圧だけを変えるのではなく、周波数を変えて回転速度を調整します。
誤りです。
誘導電動機では、回転磁界の速度と実際の回転速度との差を「滑り」といいます。
負荷の変化などによって滑りは変化しますが、一般的なインバータ制御は、滑りを直接変えることで速度を調整する方式ではありません。
インバータは主に電源周波数を変えて速度を制御します。
誤りです。
電動機の極数を切り換える方法でも回転速度を変えることはできますが、これは極数切換えによる速度制御です。
インバータによる速度制御では、極数を切り換えるのではなく、電源の周波数を変えます。
かご形誘導電動機のインバータによる速度制御では、電動機に加える交流の周波数を変えます。
周波数を高くすると回転磁界の速度が速くなり、周波数を低くすると遅くなります。
なお、誘導電動機の同期速度は、
Ns=120f/p
で表されます。
Nsは同期速度、fは周波数、pは極数です。この式からも、極数が一定であれば、周波数を変えることで回転速度を変えられることが分かります。
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02
かご形誘導電動機インバータによる速度制御の特徴を答える出題です。
原理的に、誘導電動機の速度はすべり、周波数、極数の三つに依存します。一般的に用いられているインバータ(VVVFインバータ)が可変電圧・可変周波数の意味があることを踏まえると、自然と正答できるかと思います。
それでは、各選択肢の解説をしていきます。
周波数を変える事によって速度を制御するとあります。インバータの特徴に合致していますので、正答となります。
なお冒頭の通り、一般的に用いられているVVVFインバータは電圧も可変ですが、これはトルク制御の関係から電圧と周波数を一定比率に保つ必要があるためです。(トルクは電圧の2乗に比例します。)
補足として、CVCFインバータと呼ばれるものもありますが、これはほぼほぼUPS(無停電電源)と同じ意味で使われ、速度制御でなく停電時の非常電源の意味が強いため、字面は似ていますが機能的には別物となります。
入力周波数を変えずに電圧を変える制御は、原理的に電動機の速度制御ができませんので、誤りです。
ただし電圧を変化させることで結果的にすべりが変化しますので、速度制御の方式として実在します。(サイリスタ式といいます。)
電動機のすべりを変える事で速度制御する方式は、始動抵抗制御方式として実用されています。ただし主に巻線型誘導電動機の始動電流を抑制する目的で使用されますので、かご形誘導電動機インバータの解説としては誤りです。
始動抵抗制御は、インバータ導入が非現実的になりやすい高圧機器での採用例が多く、実例としては大型の送風機等が挙げられます。大型プラント等で採用されている事がありますので、業務によっては実物を目にする事もあるかと思います。
極数を切り替えるタイプの速度制御は、方式としては存在していますが、インバータの説明としては誤りとなります。
極数切替方式は速度制御がおおざっぱになってしまう為使い勝手が悪く、現在はあまり使われてはいません。
(エアコンに例えると、温度設定が10度刻みでしか設定できない、と考えるとイメージしやすいと思います。)
インバータは現在の電気設備において広く用いられている技術のため、実務上も避けて通れないものとなります。
その為電気関係の資格全般で頻出する分野となりますので、しっかりと習熟するようにしましょう。
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