第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問34 (一般問題 問34)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問34(一般問題 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

図は、自家用電気工作物構内の高圧受電設備を表した図である。
この図に関する各問いに対して、答えを1つ選びなさい。
〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。

⑤に示す高圧キュービクル内に設置した機器の接地工事に使用する軟銅線の太さに関する記述として、適切なものは。
問題文の画像
  • 高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の金属製外箱に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。
  • LBSの金属製部分に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。
  • 高圧進相コンデンサの金属製外箱に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。
  • 定格負担100V・Aの高圧計器用変成器の2次側電路に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、高圧キュービクル(⑤)内に設置された各機器の接地工事に使う軟銅線(接地線)の太さの規定についての理解を問うものです。

それらに対する正しい知識が求められます。

 

選択肢1. 高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の金属製外箱に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。

この選択肢は、不正解です。

高圧電路を有する変圧器の金属外箱の接地には、「太さ直径2.6mm(5.5mm²)以上の軟銅線」が必要です。

直径2.0mm(3.5mm²)では不足となります。

選択肢2. LBSの金属製部分に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。

この選択肢は、不正解です。

LBS(金属製外箱)は高圧機器であり、接地線は2.6mm以上必要。

直径2.0mm(3.5mm²)では不足となります。

選択肢3. 高圧進相コンデンサの金属製外箱に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。

この選択肢は、不正解です。

高圧コンデンサも高圧機器であり、金属製外箱の接地には5.5mm²以上(直径2.6mm)が必要です。

3.5mm²は不足となります。

選択肢4. 定格負担100V・Aの高圧計器用変成器の2次側電路に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。

この選択肢は、正解です。

計器用変成器(VT)の2次側電路は低圧(100V系)であり、D種接地工事の対象となります。

D種では「断面積2.0mm²以上(直径約1.6mm)」と規定されています。

よって、3.5mm²は十分な太さで適切となります。

まとめ

この問題を解くにあたり必要な注意事項を以下のようにまとめました。

接地工事で該当する軟銅線の仕様についての正しい知識が求められます。

D種は、低圧で計器2次回路などにて使用されて線の太さは2.6mm²以上となります。

C種は、高圧機器の金属部分にて使用されて線の太さは5.5mm²~22mm²となります。

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02

この問題では、高圧受電設備の設置に関する記述の中で、適切な施工方法を選ぶことが求められています。使用するケーブルのサイズや種類、設置場所に関して、適切な規格に従うことが重要です。

選択肢1. 高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の金属製外箱に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。

この記述は不適切です。高圧機器と低圧機器を結合する際には、銅細線は適切ではないため、規定に合致しません。高導電性を確保するためには、より適切なケーブルの使用が求められます。
この選択肢は不正解です。

選択肢2. LBSの金属製部分に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。

この記述は不適切です。LBSの電源引き込みには、より適切な規格のケーブルを使用する必要があり、銅細線は不十分な場合があります。
この選択肢は不正解です。

選択肢3. 高圧進相コンデンサの金属製外箱に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。

この記述は不適切です。高圧配電コンセントにおいては、十分な導電性を確保するために適切なサイズと仕様のケーブルを使用する必要があります。低導電性のケーブルは使用するべきではありません7。
この選択肢は不正解です。

選択肢4. 定格負担100V・Aの高圧計器用変成器の2次側電路に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。

この記述は適切です。高導電性の銅線を使用することは、定格電圧の電力供給において重要であり、規定に従った銅線の使用が推奨されます
この選択肢は正解です。

まとめ

この問題では、ケーブルや機器の設置方法について、不適切な記述を選ぶことが求められました。適切な設置方法を守ることは、設備の安全性を確保し、効率的に運用するために重要です。設置においては、規定に従って材料や配置を選定することが求められます。ケーブルや機器の選定においては、必要な安全基準や規格を遵守することが不可欠です。

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03

接地工事に使用する軟銅線の太さに関する正誤問題です。


電気設備の技術基準の解釈(20241004保局第1号、以下、電技解釈という)はその第17条で、接地工事の種別と使用する軟銅線の太さを定めています。また、第28条は計器用変成器の2次側電路の接地について、第29条は機械器具の金属製外箱等の接地について、要求される接地の種別を規定しています。


選択肢の中に、銅線の太さを直径でなく、断面積で表示したものがあるので、統一のため、直径を計算しておきます。断面積 3.5mm2の円の直径は、2 ×√(3.5 / 3.14) = 2.11 (mm)です。

選択肢1. 高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の金属製外箱に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。

この処置は不適切です。電技解釈第29条の規定から、この場合の接地工事はA種接地工事が適当です。電技解釈第17条第1項により、A種接地工事の接地線は、軟銅線の場合、直径2.6mm以上とされているので、太さが足りません。

選択肢2. LBSの金属製部分に施す接地線に、直径2.0mmの軟銅線を使用した。

この処置は不適切です。電技解釈第29条の規定から、この場合の接地工事はA種接地工事が適当です。電技解釈第17条第1項により、A種接地工事の接地線は、軟銅線の場合、直径2.6mm 以上とされているので、太さが足りません。

選択肢3. 高圧進相コンデンサの金属製外箱に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。

この処置は不適切です。電技解釈第29条の規定から、この場合の接地工事はA種接地工事が適当です。電技解釈第17条第1項により、A種接地工事の接地線は、軟銅線の場合、直径2.6mm 以上とされています。断面積 3.5mm2の円の直径は2.11mmなので、太さが足りません。

選択肢4. 定格負担100V・Aの高圧計器用変成器の2次側電路に施す接地線に、3.5mm2の軟銅線を使用した。

この処置は適切です。電技解釈第28条の規定から、この場合の接地工事はD種接地工事が適当です。電技解釈第17条第4項により、D種接地工事の接地線は、軟銅線の場合、直径1.6mm以上とされています。断面積3.5mm2の円の直径は2.11mmなので、この条件が満たされています。

まとめ

接地線に用いる軟銅線は、A種接地工事の場合は直径2.6mm以上、C種接地工事とD種接地工事の場合は直径1.6mm以上です。

 

要求される接地工事の種別は次の通りです。
1. 高圧計器用変成器の2次側電路には、D種接地工事を施す。
2. 機械器具の金属製外箱等には、使用電圧が高圧または特別高圧の場合はA種接地工事、使用電圧が300V超の低圧の場合は C種接地工事、使用電圧が300V以下の低圧の場合はD種接地工事を施す。


ここで、電気設備に関する技術基準を定める省令によれば、交流の場合、低圧は600ボルト以下、高圧は600ボルトを超え、7000ボルト以下です。

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