第一種電気工事士 過去問
令和5年度（2023年） 午前
問41 (配線図問題 問1)

①で示す機器は、SOG機能付き気中負荷開閉器 (PAS、Pole Air Switch) です。SOG機能とは、SO機能とG機能の2つを指します。SO(Storage Over Current)機能は、構内の短絡事故発生時に、一旦開閉器をロックし、電力供給側で送電が遮断された後、開閉器を切る機能です。G(Ground) 機能は、構内の地絡事故を検出したときに開閉器を切り、波及事故を防ぐ機能です。地絡箇所が需要者側か電力供給側かは地絡方向継電器(DGR、Directional Ground Relay)によって検出されます。

高圧受電設備（ＣＢ形）の単線結線図からの問題です。

図中①は、地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器（ＤＧＲ付ＰＡＳ）といいます。

どのような機器であるかを問いています。

図中のＳＯＧとは過電流蓄勢トリップ付き地絡トリップのことです。

①はSOG機能付き（Pole mounted Air Insulatated Switch）です。PASは構内側で発生した電気事故（短絡・地絡）による波及事故を防止するために設置されており、短絡事故時はSO動作、地絡事故時はG動作という機能を備え付けています。
SO動作：PASは短絡電流のような大電流を遮断することができないため、PAS内部の変流器が事故電流を検出し、開閉器が動作しないよう自動的にロックさせます。その後、電力会社側の遮断器が事故電流を遮断しPASが系統の停電を感知して自動的に開閉器を開放させます。
G動作：構内側で地絡事故が発生するとPAS内部の零相変流器が地絡電流を検出し、開閉器を動作させ事故除去を行います。この時に流れている電流は負荷電流のためPASで開閉可能です。